今の環境変えたいな、転職したいな、と考えても実際の行動に移す事ってハードル高いですよね。
特にワーママの場合、いまの仕事と家事・育児に追われ、中々ゆっくり自分の状況を見つめ直す時間も取れませんし、環境が変わることへの不安もあります。
ここでは、まずはあなたの現状・子供の年齢など、状況に応じた転職のポイントを挙げます。
どういう状況であったとしても、転職は可能です。
ただワーママの場合、働き方や、働ける時間に制限のある事が多々あります。
こうした制限が、どうしても(パパ側ではなく)ママ側に皺寄せがくることについて、パートナーや社会に対する不満はここではグッと飲み込み、「今のあなた」がどういう状況かを客観視してみましょう。
子供の年齢に応じたおさえておくべきポイント
子供が乳児〜幼児初期(0-2歳頃、保育園)の転職
育休から復帰後、仕事と家事育児の両立や、出産前との働き方への違いに悩む事で、この時期に転職を考えるワーママ は少なくありません。
管理人が転職活動を始めたのも復帰後1年半の、子供が2歳半の頃でした。育休復帰後の最初の数ヶ月こそ、子供と離れて久々に社会に出る事に対する喜びがありました。ただ段々と業務負荷が上がるにつれ、プレッシャーがストレスとなり、精神的ゆとりがなくなった事に危機感を覚えた為です。
子供が低年齢のこの時期は、比較的手がかかり、ワーママでも時短勤務をしている人も多いかもしれません。ただ環境を変えたい、という場合は社内異動が近道なこともあります。会社や上司、状況次第ですが、もし可能であればまず社内異動の希望を上司に伝えてみてください。
それでは解決できない場合、以下ポイントをおさえた上で転職を検討しましょう。
子供が保育園に慣れているか?
子供は初めての社会デビューで、慣れるまでの数ヶ月は登園時はママにしがみついて泣きじゃくり、職場に向かうにも後ろ髪ひかれます。
入園1年目は特に突然体調を崩すことが多いです。大事な面接をドタキャン、という事がないように、家族や一時保育、ベビーシッターサービスに登録など、いざという時のサポート体制を確保して望みましょう。
フルタイム復帰できるか?
時短勤務可能なのは子供が3歳になる誕生日まで、と定める会社も多いです。フルタイムに復帰するタイミング=子供の保育園時間が長くなり、子供も環境変化があるという事も考慮が必要です。フルタイム復帰が難しければ、3歳以降も時短勤務を認めている企業に転職する、という選択肢も検討すべきです。
転職の条件は?
ここ数年あなたがどういう働き方をしたいかのか、家族の状況からどんな働き方が出来るのかを考え、下記の様な条件を整理する必要があります。
- 雇用形態(正社員、派遣社員、パート)
- ワーママが働きやすい職場環境
- 3歳以降も時短勤務ができる
- 自宅に近い
- ワーママでもキャリアアップできる
- 給与をあげたい
- 在宅勤務が可能
- フレックス制度が活用できる 等
条件は一つに絞る必要はありません。ただ複数の条件の中で優先順位をつけ、譲れないポイントを明確にして、転職活動はそれがブレない様にしましょう。ここがブレると転職後の後悔に繋がる可能性あるので、注意が必要です。
また、数年先に待ち構える所謂”小1の壁”を、今の職場/転職先では乗り越えるのか?を念頭においておく必要があります。
子供が幼児後期(3-5歳、保育園や幼稚園)の転職
一般的に、ワーママの転職ではこの時期がベスト、と言われる事があります。子供は保育園に慣れ、生活リズムも整い、保育園の延長保育が活用出来る等、環境の変化が少ないという事が理由です。
またあなたも育休復帰後数年が経ち、ある程度の生活のルーティーンが確立されており、腰を据えて転職活動に臨めます。この時期おさえるべきポイントは以下です。
転職先で、”小1の壁”を乗り越えられるか?
小1の壁(しょういちのかべ)とは、共働き家庭や一人親家庭において、子どもが保育園から小学校に入学した際、小学校では親の退社時間まで子どもを預かることができなくなるために親が直面する問題のことである。
Wikipediaより
保育園では、延長保育があるところも多く、ある程度遅い時間まで子どもを預かってもらえるが、小学校に進学すると公的な学童保育は通常18:00で終わってしまうところが多く、結果、保育園よりも預かり時間が短くなってしまい、子どもが家で一人で過ごす状況になることが多くなる。
小学校に入学してすぐに子供がしっかりするわけではないので、この状況に対応できない家庭は、子どもの小学校入学を機に働き方の変更を迫られるワーキングマザーが多くいるのが問題となっている。
もし転職先で正社員フルタイムを条件とした場合、1-2年後にやってくる”小1の壁”を乗り越えられるかがキモです。
夫婦ともにフルタイム、かつ会社通勤ありの場合は物理的に仕事・育児の両立が困難になります。下記の転職先企業の条件か、サポート体制の確立のどちらかでカバーできるかどうかを念頭に置きながら転職しましょう。
会社の条件
- 時短勤務が可能か
- 在宅勤務が可能か
- フレックスタイム制の有無 等
サポート体制
- 夫の当事者意識
- 実家のサポート
- 民間サービスの活用 等
子供が小学生の転職
”小1の壁”を乗り越えれば、ワーママとしての転職ポイントが「育児との両立」から「今後のキャリア」へと移ってくる時期です。また、習い事や、中学進学へ向けた教育費が気になり始めるのもこの頃かもしれません。今後、あなたはどう働きたいかをじっくり検討して転職活動に臨みましょう。
- 正社員でしっかりキャリアアップしたい
- 給与を上げたい
- 派遣社員・契約社員で、子供との時間も確保しつつフルタイムで働きた
- パートで、週3-4日程度ゆとりを持って働きたい
あなたや家族の状況次第でおさえておくべきポイント
育休中の転職
育休は職場復帰前提の制度なので、保育園入園や給付金に不利益出る場合もあり、出来るならばこの時期の転職は避けたいところです。ただ職場状況や夫の転勤など止むを得ず転職が必要なケースもあります。
事前にしっかりポイントを把握し、一旦職場復帰してからの転職活動に切り替える等の対応も視野に入れておきましょう。
育児休業給付金の受取額への影響
育児休業給付金を受給中に退職した場合、退職日を含む支給単位期間(1ヶ月)の直前の期間までは支給対象になります。(支給単位期間の末日で退職する場合、退職日支給単位期間も支給対象になる。)その後は給付対象から外れます。退職のタイミングで給付金の受取金額が変わる為、退職日は慎重に検討しましょう。
保活・保育園入園への影響
転職のタイミングと、自治体の点数配分ルール次第で保活へ大きな影響があります。特に都市部の待機児童が出るほどの自治体では、例え転職が決まっていても入園できないという可能性があります。この時期の転職活動を検討している方は、下記ポイントをおさえた上で、必ずあなたのお住まいの自治体の選考基準や条件を確認ましょう。
保活前・保活中の転職活動
- 会社退職済み、転職活動中の場合
求職活動中でも入園申し込みは可能ですが、在職中の人の方が有利となる自治体が多く、入園のハードルは高くなります。 - 会社退社済み、転職内定している場合
転職先企業の就労予定証明書で申し込みは可能ですが、申し込み時点では無職という扱いになり、自治体によっては不利となる場合もあります。
保育園内定後の転職活動
- 保育園申し込み時点の勤務条件(就労日数、時間等)が変更になる場合、自治体によっては内定取り消しとなる場合があります。
時短勤務中の転職
一般論になりますが、転職では即戦力が求められるため、時短勤務での転職は簡単ではありません。実際に時短勤務で応募できる企業の数はそうでない場合より減ります。

ただ不可能ではないので、上にある”子供が乳児〜幼児初期(0-2歳頃、保育園)の転職”の条件も合わせて検討しましょう。
また、状況改善の手立ては転職のみではない、という事も念頭に置いておきましょう。可能であれば、上司に社内異動を相談するのが近道になる事もあります。社内異動の場合、あなたにとっても子供にとっても負担が少ない選択肢になる可能性が高いです。
2人目、3人目…の妊娠を検討している時期の転職
転職を考えるワーママでは、転職と妊娠のタイミングで悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。
(管理人も転職活動の時に第1子が2歳半、そろそろ2人目を…とも考えていた時期でした。)
育休取れる?貰えるお金は?職場や仕事に慣れないまま産休に入って戻ってこれるのか?などと悩む時期です。この時期の転職では、転職後の妊娠・出産を見越し、下記ポイントをおさえておきましょう。
産休・育休は取得できるか?
産休(産前産後休業)‥労働基準法で定められているため、転職直後でも休業可能です。
産前休業は出産予定日の6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から休業できます。
産後休業は8週間です。本人が希望し医師が認めた場合に限り、6週間経過後に復職可能です。
育休(育児休業)‥原則としては可能です。ただし、労使協定により、「継続雇用1年未満の社員は育児休業を取得できない」と労使協定で定めている場合があります。育児・介護休業法では、入社1年未満の社員を対象外にできるることが認められているためです。もしこの規定がある場合は、転職後1年以内に産休期間を終了した場合、原則育休が認められません。これは企業により異なるため、転職先の就業規則と労使協定をチェックしておきましょう。
契約社員など有期雇用の社員の場合は、以下2つの条件を満たすことで育休を取得できます。
- 申請時点で同一事業主に1年以上継続して雇用されていること
- 子供が1歳6ヶ月(2歳に達する日まで取得する場合は2歳)に達する日までの間に雇用契約が更新されないことが明らかでないこと
出産一時金、育児休業給付金は受け取れるか?
出産育児一時金‥問題なく受け取れます。出産の場合(妊娠85日以降の死産・流産を含む)、子供1人につき42万円が支払われる制度です。(多胎出産の場合は、子供の人数分が支給されます。)
育児休業給付金‥原則受け取れます。ただ転職活動前に退職している場合は、受け取れない可能性あります。受給の条件で、「育児休業を開始する前の2年間に12ヵ月以上の雇用保険被保険者期間がある」というものがあります。会社を退職してから転職活動を始めた方などの場合は、転職後1年以内の育児休業開始だと給付対象外になる恐れがあります。
夫も転職活動中の転職
在職のまま転職活動をする場合、通常の仕事にプラスして、エージェントとの面談、応募企業のチェックや書類作成、企業の面接など多くの時間を捻出する必要があります。
ただでさえ仕事+家事育児で時間に追われるワーママにとって楽な事ではありません。
また転職が無事決まった後も、入社後は環境変化でルーティンが安定するまで数週間〜数ヶ月掛かると覚悟しておいた方が無難です。また、環境の変化は良い意味でも悪い意味でもストレスになります。
この変化を乗り越えるためには、夫(もしくは実家など含めた家族)の理解と協力が必須です。一人でも大変な活動を、夫婦同時並行で進めるのは至難の技ですが、止むを得ず避けられない場合は、実家や、ベビーシッター等の民間サービスをいつでも活用できる状態にしておきましょう。
まとめ
転職を思い立っても、ワーママは自分のことだけを考えれば良い身の上ではありません。
(ここでも育児による制限がママ側に偏る不満をグチるのを我慢して…)
ただ闇雲に行動する事は非効率となり、時間が限られるワーママにとってはできれば効率的に転職活動を進めたいところ。
ワーママの各ステージでのポイントをおさえ、しっかり戦略を立てて効率的かつ満足度の高い転職活動に繋げましょう。
少しでも、あなたのより良い仕事へ、人生へ近づくための助けになれば幸いです。
